事前認定で認定された第2級1号に納得できず依頼、異議申し立てし第1級1号が認定

  • 症状 高次脳機能障害 事故により頭部を強打し意識障害は2ヶ月以上続きました。 意識が戻られてからも、会話はもちろん、意思疎通ができず、立つことや歩くこと、衣服の着替えや食事・入浴等、生活の全ての行動に介助が必要になられました。
    等級2級1号→1級1号
    • 異議申立
    • 沖縄県
    • 40代
    • 男性

ご依頼の経緯

40代鹿児島県在住男性Hさんのご家族のお話。

関東在住の折、バイクで走行中に自家用車にはねられ受傷しました。

救急病院に搬送されたのですが、自発呼吸ができず転院、その後、数度転院しました。

家族だけでは看病は難しいので両親や親戚に助けてもらうため鹿児島県に帰郷しました。

現在通院中の病院の医師に後遺障害診断書を記載してもらい、加害者加入の任意保険会社に言われるままに事前認定、後遺障害第2級1号が認定されました。

後遺障害診断書をご記載された主治医は後遺障害第2級1号に納得がいかないと言われているのですが、任意保険会社は高圧的に示談の話を進めてきます。

経済的にも困窮しているのですが、示談に合意しないと示談金は入金されないので、認定された等級に納得はいかないが示談の話を進めるほうが良いかとも思っています。

ここまで任意保険会社にいわれるままに行動していて、いま何をしているのか何が起こっているのか、また、これから先どう進んでいくかもわからず不安だったので、高次脳機能障害支援拠点機関に相談に行きました。

経過と解決

高次脳機能障害支援拠点機関のソーシャルワーカーより、困っておられるので、一度相談に乗ってもらえないかと電話がありました。

Hさんは、事故により頭部を強打し意識障害は2ヶ月以上続きました。意識が戻られてからも、会話はもちろん、意思疎通ができず、立つことや歩くこと、衣服の着替えや食事・入浴等、生活の全ての行動に介助が必要になられました。

ご本人の状態から主治医は後遺障害等級第1級1号の認定を確信され後遺障害診断書をご記載されたのですが認定されたのは第2級1号でした。

まずは、弊法人に事前認定の認定書と申請書類を弊事務所に送っていただき、何故第2級1号が認定されたのか精査しました。

異議申し立てをする方が良いと判断し、鹿児島県でご家族にお会いしました。

経済的に困窮されていたので、任意一括を解除し、被害者請求に切り替えれば、自賠責保険金がすぐに振り込まれることをお伝えしました。また、保険会社への対応についてもお話しさせていただきました。

少しほっとされたようで、異議申立て等についてご依頼がありました。

受任後、任意一括解除し、自賠責保険金が振り込まれたので落ち着かれ、あわてて示談に進む必要が無くなられました。

後遺障害診断書を記載された主治医は好意的で、HさんとHさんご家族の今後の事をご心配されていたので、再度鹿児島県に行き主治医と面談しました。

後遺障害等級認定書を基に、弊法人が考える第2級1号の認定理由を話し、異議申し立てを考えているのでご協力いただけないかとお願いしましたら、ご理解いただけ快くご承諾いただけました。

異議申し立て申請書類を作成し、申請。ほどなく、後遺障害第1級1号が認定されました。その後、任意保険会社との示談交渉のため弁護士を紹介して欲しいと希望されたので、高次脳機能障害を理解している弁護士をご紹介しました。

交通事故・後遺障害サポートセンターより

事前認定で認定された第2級1号に納得できず依頼、異議申し立てし第1級1号が認定

ご家族が突然大きな事故に遭われた時、まず命が助かったことを喜ばれるのですが、その後のご本人や生活の変化は想像以上のものです。

そのような中で、治療についての決断や加害者加入任意保険会社との対応に、疲弊される方は多くおられます。

Hさんご家族もHさんの介護に手がいっぱいで、周囲の方々に事故に遭えば全てを保険会社に任せば良いと言われ、後遺障害等級認定において事前認定を選ばれました。

もちろんその選択は間違いではありませんが、事故に遭った時、接触してくる保険会社は加害者加入の任意保険会社だということを、多くの方は認識しておられません。

加害者加入任意保険会社ということは、言い換えれば加害者を守るための保険です。

本来なら加害者が支払うべき損害賠償金を保険会社が加害者に代わって支払うための保険だということです。そのような立場(加害者の代理人)であるにも関わらず、被害者に対し高圧的であったり、支払ってやるという態度で接してくる保険会社の担当もいるようです。今回認定された第1級1号は、本来なら初回申請で認定されるべき等級です。

医師は治療のプロではありますが、後遺障害等級申請書類作成のプロではありません。

事前認定の際、任意保険会社が申請書類を精査してくれれば良いのですが、そのような保険会社はいないのか、または、どのような書類を提出する必要があるのかご存知ないのかわかりませんが、異議申し立てのご相談の際、初回申請書類を拝見すると、私達では考えられない書面を提出されていて驚くことがあります。

後遺障害等級認定において、被害者請求と加害者請求(任意一括)があることを知っていただき、後々後悔されない選択をされることが一番重要であると思っています。

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