主治医記載の後遺障害診断書の内容が、自分の症状と全く違っていた

  • 症状 肩の痛み。曲がらない。 腕が上がらない。 肘の痛み。曲がらない。
    等級10級10号
    • 初回申請
    • 大阪府
    • 30代
    • 女性

ご依頼の経緯

自転車で横断中、右折車に衝突され上腕骨を骨折し、入院治療となりました。退院後通院治療を続けましたが症状は残っており、3年を過ぎた頃に症状固定となって、主治医に後遺障害診断書を書いてもらいました。しかし、その内容が、自分の症状と全く違っていました。
このまま申請することに不安を感じたため、以前交通事故で同じようなケガをした友人に相談したところ、交通事故・後遺障害サポートセンターに相談してみたら、と言われ、面談相談を利用しました。

経過と解決

面談では、受傷から現在までの入院・通院の状況や、現在の残存症状などを詳しく伺い、持参された後遺障害診断書の内容を確認させていただきました。その上で、何ができるか、できないか、それぞれのメリット・デメリットも踏まえ、いくつかのご提案をさせていただきました。
ご依頼を受けてからは、まず、必要書類の取り付けをして、現状等を確認しました。それからそれを基に、残存症状が反映された後遺障害診断書となるよう主治医に働きかけをしましたが、依頼者の方がご納得される内容にはなりませんでした。
そこで、転院をご提案したところ、それを希望され、転院先の病院において医師のご理解を得られ、必要な検査・診断を受けられました。そして、ご納得のいく、残存症状が現れた内容の後遺障害診断書で後遺障害の等級申請をすることができました。
結果は、肩の動きに制限があること(可動域制限)が認められ、10級10号の認定となりました。

交通事故・後遺障害サポートセンターより

主治医記載の後遺障害診断書の内容が、自分の症状と全く違っていた

本件では、後遺障害診断書ができている段階でのご相談でした。
後遺障害診断書の内容をご自身で確認され検討されたことはとても賢明なご判断だと感じました。
後遺障害診断書は、一度書いていただかれたら、必ずそれを提出しなければならない、と思われている方も多いように思われますが、そんなことはありません。
自賠責保険の審査に当たっては書類審査になりますので、提出した書類の内容は非常に重要になります。

例えば、後遺障害がない、というような内容の後遺障害診断書を提出してしまわれると、当然のことながら、まず認定は難しいでしょう。

しかし、そのような内容の後遺障害診断書も、提出されなければ、審査に当たっては何も影響はありません。
ただ、後遺障害診断書は申請においての必須書類なので、「ない」と申請できません。

そこで、後遺障害診断書の内容を、いかにご自身の残存症状が表れたものに近づけるかが重要になります。
主治医のご理解を得られず、転院を考えられる場合、その転院先が見つかるかどうか、見つかってもその転院先の医師が後遺障害診断書を書いてくださるかどうか、さらにその内容まで、となると、難しいケースも多いと思われます。また、新たに受診することになりますので、診察の費用もかかりますし、後遺障害診断書を記載していただくとなると、診断書代も発生します。
ただ、このように、様々な選択の中でメリット・デメリットを考え、一つ一つご判断されながら進められることが、ご納得のいく解決に向かわれることに繋がるのではと思っています。
本件では、当初記載されていた後遺障害診断書においては、肩の可動域制限が無いような検査結果が記載されていました。検査時の様子を伺うと、力任せに無理やり手を引っ張られとても痛かった、とのことでした。
可動域制限についての検査では、「自動値」:自分の意思で動かすことのできる関節の可動域と、「他動値」:他人が動かすことのできる関節の可動域の2つの測定基準があります。
具体的には、自動値ではご自身で、他動値では医師が手を添えて動く範囲を測定します。
後遺障害における判断では、腓骨神経麻痺等の特別なケース以外のほとんどの場合、「他動値」によって判断されます。
その判断は、受傷していない側と比べて判断され、どれくらい曲がらないか、動かないか、機能が失われているかで等級が異なります。(左右どちらもお怪我をされた場合は、定められている「参考可動域角度」と比べられます。)
他動値では医師が手を添え力を加えての測定になるため、多くの被害者の方が、医師に遠慮され、医師が動かされる方向に、痛くても無理をされ、いつもは動かないところまで、痛みに耐えて動かされてしまわれることがあるとよく伺います。
測定の際には、そこは遠慮なさらず、痛いときは痛い!と訴えられることが大切とお伝えしています。

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